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「ありのまま」について再考してみた。

GCストーリー新卒一年目の矢野です。
僕の特徴として言えること二点あげると、
 
 
①高三の時に脳梗塞になったということ。
②芝居を5年間やっていること。
 
 
といった感じでしょうか。
 
 
思いのままに書くと、僕の癖で軸のないことを書きそうなので、
僕の特徴二点に即してタイトルで宣言した通り
「ありのまま」って何なのか書いていきたいと思います。
 
=== 
①脳梗塞になったということ。
 
 
僕は、高校3年の2月に若年性脳梗塞という病気にかかりました。
受験前の突然の出来事でした。
 
 
手術が終わり、目が覚めた僕に降り掛かったのは
「左半身不随」という不自然な状況でした。
歩く、物を取る、本をめくる、と言ったような
今まで自然に出来ていたことが急に出来なくなりました。
しかし、リハビリをするにつれて、少しずつ色んなことが出来るようになり、
今ではほとんどのことが無理なく出来るようになりました。
「不便さ」はほとんどなくなりました。
 
 
ただ、完全に昔のままかというとそうではなく、
生活の場面場面で未だに「不自然な」部分は残っています。
歩き方がたまに変だったり、緊張すると手を握ったりすることがあります。
キーボードだって、両手でタッチするのは難しい。
 
 
けれども、そんな僕が今思うことは、
今の自分は「不自然」ではあるけれど、「不便」ではないということ。
変でも前に進めるし、手の握りはフォローできる。キーボードだって右手で叩けます。
「元のまま」ではないにしろ、今の自分は今の自分で、
ノイズも含めて「ありのまま」「自然」だよなと思います。
 
 
世の中で言う「自然さ」「ありのまま」って
それ自身に正解があるような気がします。
平均値というか。
 
 
でも、僕はこういった経験から不自然さも含めて、
「ありのまま」ではないかと思うようになりました。
平均値なんて目指さなくても、自分の思う「ありのまま」でいいのではないか。
それが僕が病気から学んだ「ありのまま」論です。
 
=== 
②芝居を5年間やっているということ。
 
 
yano_R.jpg 
1つ目の特徴からは、考えられないことかもしれませんが、僕は今、
週に一回(学生の頃は週四回のときもありましたが、)俳優の養成所に
通って演技を学んでいます。
そこで求められるのは舞台の上に如何に自然な感情を乗っけるかということ。
言うのは簡単ですがこれがとても難しいです。
 
 
人間は、理由を持って行動します。
感情も然りで、感情にはそれぞれ原因があって、その感情が湧き出てくるものです。
役者が「その感情を出さないといけないから」という自分の都合で、
「無理に感情を出そう」とすると嘘の演技になります。
なぜなら普段、怒ろうとして怒ったり、泣こうとして泣くことはないから。
 
 
あくまでその状況に生きる1つの役として、
状況と相手に応じて自然と感情が出てくる。
相手に伝えたい何かがあって目的をもって台詞を発する。
それが、人間の自然に近い心の動き方であり、言葉だと思います。
僕は、そういった芝居を目指して今勉強しています。
 
 
ここで僕が学んだことは「ありのまま」らしいことを目指そうとする時点で
「ありのまま」は失われて嘘になるということです。
 
 
先程、病気で学んだことととても良く似ています。
周りから「ありのまま」だと思われている(見立てられている)自分を演じて、
疲れることってありますよね。
それを勇気をだしてスっとやめてみると、
とても楽になるんじゃないかなぁという風に演劇をしていて思います。
 
 
舞台の上で、自然に感情が出た時のエネルギーは凄まじいものだと実感しています。
それが人生においても出せたらなんて素敵だろうなあと思っています。
 
=== 
③おわりに
 
 
ありのままになろうとする、って逆説的な言葉だよね
って同期が言ってました。
ありのままって既にそこにある事なのに
それ目指して変わろうとしてる時点でそれって崩れない?というふうに。
 
 
僕もそう思います。
 
 
今回例に出した2つの僕の経験から導き出すありのまま論の結論は、
「ありのままでいようとすることをやめてみることが、
真にありのままであることに繋がり、本来の力が出せるのではないか。」
ということです。
 
 
勇気をだして力を抜く。
ありのままの正解探しをやめてみる。
 
 
そういったことで、今より少し楽に生きていけるのではないかなと思っています。
 
 
それではまた。
 
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